★第15回★ ハウスエージェントによる不動産よもやま講座

アイコン④よもやま

イラスト課長

 

不動産を買わない理由が見つからない
  ~海外から見た日本の不動産事情~
  
 

 

こんにちは。

ハウスエージェントの小川です。

 

先日、かねてより上海へ単身赴任中の友人から「遊びにおいで」と誘われていたので、
有給を取って行ってきました。
友人や友人の取引先の社長に案内され、観光はもちろんのこと、上海ガニや小籠包などの
名物料理をいただき、上海旅行を満喫してきました。

 

 

仕事柄、旅行先でその土地の不動産事情というものが気になります。
しかも今回の上海旅行では、不動産についての考え方やその都市、国が持つ事情を
友人の取引先の社長という現地の方に話を聞ける絶好のチャンス。

 

もちろん私は中国語は話せませんが、友人に通訳をしてもらい色々とお話を伺ってきました。
するとお話を聞くつもりが、逆に矢継ぎ早に

「日本は不動産の所有が認められているのに、なぜ不動産の購入に消極的なのか」
「東京は世界の主要都市と比較して、不動産価格が低いのになぜ積極的に買わないのか」
「日本は世界的にみても異常な低金利なのに、なぜ借り入れをして複数不動産を買わないのか」

等といった質問責めにあってしまいました。

彼は、日本の不動産購入に非常に興味があり、購入を検討しているという事で、

疑問に思っていたそうです。

 

 

確かに当店でも中国人のお客様は多く、また購入意欲も非常に旺盛です。
しかもそのお客様のほとんどが高収入というワケではなく、一般的な日本のお客様と
同じくらいか、むしろ低いくらいです。

 

それでも購入意欲が旺盛で、自己居住用だけにとどまらず、2件、3件と購入していくには、
友人の知り合いの社長からの質問もあったように以下の背景があると考えられます。

 

 

まず中国は社会主義国であり、土地は国のもので個人所有が認められておらず、

居住用不動産でも70年の「土地使用権」という権利だそうです。日本で言えば借地権ですね。


また金利も高く、日本の住宅ローン金利が1%前後なのに対して、中国は4%台後半と高く、
審査も相当厳しいとのことで、ほとんどの方がコツコツと貯金をしながら、投資で運用し、
現金で購入しているようです。

しかも不動産購入を居住用であれ、投資用であれ、投機的な要素で考える外国人からすると、
世界的な経済大国であり、また法的にも政治情勢的にも安定している日本の首都東京の
不動産平均価格が、台湾の首都台北やシンガポールよりも安いとなれば、低価格で安全資産を
所有できるという点で購入意欲が旺盛なのもうなずけます。

さらに日本の金融機関からの借り入れが可能であれば低金利というメリットや、頭金や

現金購入の際に昨今の円安というメリットも享受できるということです。
中国人に限らず、世界的な都市部に住んでいる外国人からすると、安全で、低金利で、

不動産価格の安い日本の不動産は非常に魅力的で、購入できる環境があるなら

買わない理由が無いという考えも納得です。

 

ここ2、3年の日本の不動産価格上昇は、アベノミクスやオリンピックの影響だけでなく、
外国人投資家が日本の都市部や、都市部近郊の不動産を買い漁っているのも背景に

あるのかもしれません。
 

 

 

一方、我々日本人はというと、多くの方が不動産購入を「自宅」という実需目的で考えるため、
賃貸物件と比較して「広い狭い」「家賃より高い安い」などといった損得だけで

考えてしまいます。
「一生に一度の買い物」という考え方なので、結婚や出産などのライフイベントを機に

不動産購入を検討する方が多く、そのうえで慎重に吟味して、また根強い新品至上主義から

手頃な中古住宅を避け、高額な新築住宅を検討する為、不動産一次取得者(初めて不動産を

買う人)の年齢層も高めです。

 

不動産購入は実需だけでなく、外国人が考えるように「投資」という要素も多分に含んで

いますから、例え「自宅」として実需目的の不動産購入であっても、投資の観点でも

考える必要もあるかと思います。

 

 

しかしながらニュースや新聞等で取り上げられているように、日本は「投資」という概念の

教育が海外に比べ遅れています。
楽をしてお金を稼ぐことが「ずるい」「汚い」といったマイナスイメージを持つ国民性なので、

どうしても不動産購入にあたり世界的に見て恵まれた環境でありながら、「投資」という概念が
備わっていないため消極的になってしまうのかもしれません。

 

不動産購入を「投資」という観点で考えた場合、「損得」も大事ですが、「リスクを取らずして

リターン無し」の投資の精神に当てはめると、また違った見方になってきます。
ここでいう「リスク」とは、金銭的なリスクだけでなく、「人生のリスク」も指します。

 

例えば、現在賃貸住宅にお住いの方は、大小あれど少なからず毎月の家賃を払っています。
家賃も住宅ローンも家計の中の「住宅費」に変わりはありませんから、仮に同じ支払額

なのであれば「家賃」から「住宅ローン」へとシフトしても資産を所有するわけですから、

リスクは全くと言って良いほどありません。

 

 


さらに持ち家になることで、万が一への備えに対するリスクが全く違います。
仮にローン返済中にご主人様が、死亡または重病になった場合は、団体信用生命保険により

ローン残高が0円になります。
残されたご家族はその不動産に住み続けても良いですし、例えば奥様の実家に戻り、

残してくれた不動産を賃貸に出して収益をあげ、日々の生活費の足しにすることもできます。

もしくは、売却してお子様の教育資金の備えにすることもできます。

 

このように色々な選択肢が取れる持ち家に対し、賃貸だった場合は何もできません。
もちろん不測の事態が起こらないことが一番ですが、持ち家になることにより

住宅ローン控除の適用や万が一の際は不動産という資産が残りますので、生命保険や

医療保険の見直しを行うことで、家賃より住宅ローン支払いが増えても、家計をトータルで

考えれば実質的に家賃負担額と変わらずに広い家に住めたりします。

 

 

一例ではありますが、上述のように賃貸住宅に住み続けることは、かなりリスクの

高いことなのです。
もちろんご家庭それぞれに様々な事情があるため、すべての方が不動産を購入した方が

良いわけではありません。
住宅購入と聞くと「月々のローン返済」や「維持費」、「税金」などといった金銭面の負担を
気にしてしまうかもしれませんが、その裏側にある「万が一の備え」や「資産を所有している

安心感」などに目を向けてみるのも良いかもしれませんね。

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