★第17回★ ハウスエージェントによる不動産よもやま講座
こんにちは。ハウスエージェントの青木です。
賃貸は、持家と比べ住みたい場所やライフスタイル、家族構成等に合わせて比較的簡単に住み替えが出来ます。また住宅ローンという大きな借金をしないので、心理的負担もありません。
しかし、一生賃貸を選択される場合、様々なデメリットがある事も事実です。
という事で、今回はプロの視点から、「一生賃貸のデメリット」についてお話させて頂きます。
まずデメリットで最初に挙げられるのが、万が一の時の補償です。
第15回でも上げられましたが、賃貸の場合、もし病気や事故により一家の大黒柱(世帯主)が亡くなったり、高度障害で働けない身体になってしまった時、残された家族は家賃を払い続けなくてはなりません。 場合によっては家賃負担を減らす為に引越しを余儀なくされ、転居費用の捻出やお子さんの転校問題、通勤時間の増大等も関ってきます。
しかし住宅ローンを組んで購入をした場合、原則的に団体信用生命保険(団信)に加入します。この団信の基本として保険料は銀行負担となっており、ローンを組んだ借主が万一亡くなった場合や高度障害で働けない身体になってしまった場合、保険がおりて住宅ローンの残債がゼロになります。残された家族はその家に住み続ける事ができ、更に住宅を資産として残す事が出来ます。
購入ではなく賃貸を選択する場合は、このデメリットを視野に入れて生命保険の加入や貯蓄で万一のリスクに備えなければなりませんが、家賃を払いながらプラスαの出費は負担も大きいですよね。
次に考えられるデメリットは、年金生活になる定年退職後も家賃の支払いが続くという点だと思います。賃貸の場合、住居費と生活費を用意しなくてはいけませんが、年金受給だけでは足りなくなる可能性が非常に高くなります。
総務省が発表している家計調査(平成28年)では、2人以上無職・世帯主65歳以上世帯の支出は「住居費を除いた生活費は253,152円」となっています。
世帯によって年金の受給額は変わりますが、この家計調査の生活費より受給額が低い世帯は多いのではないでしょうか? 仮に夫婦共に無職で年金受給額が20万円とし、この「不足分約5万円」と「住居費として家賃が75,000円」だった場合、毎月約125,000円を貯蓄から切り崩す事となります。これを65歳から85歳の20年間支払い続けるとなると約3,000万円が必要となります。
前述した万一の時に備えた生命保険の加入や貯蓄をしつつ、さらにこの3,000万円の貯蓄をするとなるとかなり大変な生活になりそうですね…。
そして最後に挙げるデメリット、自身が老齢になった時は、ある意味、一生賃貸の最も大きなデメリットかもしれません。
家賃負担が苦しいとの理由で家賃の安い物件への引っ越しを普通であれば考えるかと思います。
しかし、老齢になるにつれ借りられる物件が少なくなるという問題が発生してきます。
老齢になれば、仕事をしていない場合や、仕事をしていてもバイトやパートなど不安定な仕事や低所得となる場合が多いので、賃貸契約の際に行われる審査に通らない可能性があります。 また貸主である大家さんが家賃支払の遅延リスク、室内で何かあった場合を考えて老齢者を敬遠する事があります。
認知症など判断機能の低下があると契約行為そのものが出来なくなる事も考えられますね。
また、このような契約リスクも不安な点ですが、更に施設入居が必要になった場合も問題になります。
持ち家の場合は、それを売却して施設の入居費用を捻出することも考えられますが、賃貸では貯蓄を切り崩すしかありません。
しかし、前述までの貯蓄切り崩しがありますので、はたして入居費用分を捻出できるかどうか難しいところかと思います。
以上のように賃貸は、残される家族の不安や経済的負担、老後の生活不安がデメリットとして存在します。また、住宅ローン減税という税制優遇も賃貸では享受出来ませんので、この点もデメリットと言えばデメリットかもしれません。
もちろん持家にはまったくデメリットは無いという訳ではありませんが、賃貸のようなデメリットは少ないと思います。
もしこのようなデメリットを踏まえたうえで一生賃貸を選択する場合は、しっかりとした人生設計をしてリスク回避されることをお勧め致します。
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